黒木工吉のフィギュアスケート解説ブログ

フリーライター黒木工吉のフィギュアスケートに関するブログです。最新の技術解説、選手の情報からフィギュアスケートというスポーツ全体まで様々な角度から論じてみます。

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バンクーバーオリンピック女子フィギュアスケート直前企画!安藤美姫、浅田真央、キム・ヨナ選手のメンタリティを解析② キム・ヨナのナルシシズム









キム・ヨナ選手のメンタルの凄みは、相手に勝つことを至上の価値として、そこに向かってモチベーションを燃やすことができることだ。

いうなれば浅田真央は自分に対する挑戦でモチベーションを燃やすタイプ。キム・ヨナ選手は試合に勝つことにモチベーションを燃やすタイプだ。

もちろん、競争相手を常に意識しているというわけではない。キム・ヨナ選手も「浅田選手だけがライヴァルなわけではないし、自分の演技に集中することが大事」というような趣旨のことよく話すが、それは浅田真央のよく口にする、「パーフェクトで滑る」ということと次元が違う。あくまで彼女は勝つことが最大のモチベーションなのである。意地悪な言い方をすれば、自分の出来が不本意であったとしても、その時点で勝てれば一応満足を得られる選手だ。得点が出たときの様子を見ていればわかる。安藤選手や浅田選手は自身のできが悪かった時、たとえ一位でもニコリともしないことが多いが、キム・ヨナ選手は同様の場合でも、素直にうれしそうな表情を見せる。

そこがキム・ヨナ選手の精神的な強さの秘訣である。キム・ヨナ選手は自分に自信を持っている。キム・ヨナというブランドに誇りを持っているようにも見える。このナルシシズムこそ彼女の輝きの最大の所以、アスリートとしての高潔なメンタリティではないだろうか。

しかし、彼女とて盤石というわけではない。彼女はコーチの言うように、「性格にムラがない」ことが強みのひとつである。しばしば彼女は韓国で軍人に例えられ、その精神性を評価されるという。しかし、彼女は明確な理由のある不安にはけして強くはない。怪我をすればその不安はモロに演技にでてしまうし、先の2009年のスケートアメリカでの不調(といってもキッチリトップには立っているが、アメリカのレイチェルフラットにフリーで後塵を拝し、2位甘んじたことは大きなニュースになった)も、エッジの破損からくるスケート靴の不調に原因があったという。

しばしば日本人は怪我や外的な不安を抱えても、勝ってしまうことがある。モロゾフのいう日本人のメンタルの強さとは、このことかもしれない。しかしキム・ヨナは不安材料を抱えている場合、必ず演技に反映される。だから安藤選手も浅田選手もキム・ヨナ選手も、そのメンタリティは一長一短であり、それでこそコーチの役割と言うのは、大きいものなのだろう。

彼女は現在の世界最高得点保持者であり、金メダルの最有力候補である。彼女がいつも通りにキム・ヨナブランドを誇り続けることができれば、勝利を手にすることができるだろう。しかし、彼女が自分のどこかに不安を抱いているとき、結果はどうなるかわからない。

【了】

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